不動産を所有される方には、何かしらの事情によって、今まで住んでいた家を売却しなければならなくなることも考えられます。どのようなご事情でも愛着のある家ですから、できるだけ安心に売却していきたいものです。また、ご自身の不動産をできるだけ高い査定をしてもらいたいと思うのも当然のことです。そこで高く査定してもらうためのちょっとしたコツを本日はテーマにしたいと思います。
家を掃除して清潔に保つ
ご自宅を売却するときには、売却を完了させたい日の数ヶ月前から不動産会社に依頼するのが一般的です。市場の仲介の場合、売却を不動産会社に依頼してから買主へのお引渡し(残金の決済)まで3ヶ月~6ヶ月程度かかります。その間、まだ住んでいる状態で、買主が家の内見を希望することも考えられます。居住中だからと言って、内見を拒んでいては、なかなか買主も現れにくくなってしまいます。どうしても内見が無理で売却を考えたい方は、買い取りという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
購入希望の方に内見していただく場合ですが、内見の際に家が汚いと、買主の購入意欲がなくなってしまうのは言うまでもありません。不動産会社もそれはよく分かっているので、家が汚すぎることで査定金額に影響することも考えられます。実際に売却が始まったときは当然のことながら、不動産会社との査定金額(売出価格)の打ち合わせ時にも家をキレイな状態にしておくことをお勧めいたします。
また、部屋を整理整頓して清潔に保っていることは、家のメンテナンスもしっかりしていると判断されやすく、買い手がつきやすい傾向にあります。
売却に必要な書類を事前に準備する
不動産の売却を進めていくと不動産会社から売却に必要な書類を求められることになります。そこでよく慌ててしまうのが、売却に必要な書類を紛失してしまっている時です。
住宅に関する書類は、普段生活するうえで使用することがあまりないため、内容を見る機会も少ないのではないでしょうか。そのため、保管状態などを常に気にしているわけではないので、いざというときに見つからないケースは決して珍しくはありません。家の売却には様々な書類が必要になります。売却を決めたのであれば、まず書類の所在を確認する必要があります。
売却の話をスムーズに進めるために、不動産会社への依頼と同時に、売却に必要な書類の保管状態を確認してみてはいかがでしょうか。不動産会社に売却を依頼する際には、以下の書類を準備しましょう。
不動産売却に必要な書類
- 売買契約書
- 登記簿謄本もしくは登記事項証明書
- 重要事項説明書
- 登記済権利書もしくは登記識別情報
- 土地測量図面
- 境界確認書
- 固定資産税納付通知書
- 建築確認済証
- 建築設計図
- 既存住宅性能評価書
- 建物状況調査(インスペクション)報告書
- 耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書など
上記の書類がないからと言って、売却が進まないわけでもありません。まずは現状を不動産会社に相談するところから始めましょう。紛失した書類の対処方法について、アドバイスがもらえるはずです。
書類の所在を確認したら、所有権や抵当権についてもチェックしておきましょう。売却の際は、契約時に実印や印鑑証明書も必要となります。印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要となりますので、その点には注意が必要です。
住宅ローンの残高のチェックをしておきましょう
住宅ローンの残高が残っている場合(残債)は、引渡しと同時にローンの全額を一括で返済して抵当権を外す必要があります。住宅ローンを利用して家の購入をした場合、金融機関による抵当権が設定されているはずですが、抵当権がついたままでは家の売却はできないからです。
ローンの残高によっては、持ち出し金が発生しますので、預金残高もチェックしておくと安心です。住宅ローンの状況は、家そのものの査定評価額とは別に売出価格に影響していきます。売主の事情のあるため、査定金額と売出価格は実際には異なるケースもあります。このような話がスムーズにできるように住宅ローンの現状について確認しておくことをお勧めいたします。
ローンの残高が売却額を上回る場合は、「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が使える場合がありますので、チェックしておきましょう。