浜松市に不動産をご所有の方で、相続の問題が心配の方もいらっしゃるのではないでしょうか。すでに相続した不動産、またはこれからの相続を考えてのご相談もよくお聞きしています。相続は、まだ現実的でない時点では穏便に済むものだと誰もが思っているものですが、いざ、その時になると誰かが悲しい思いをするような場面に遭遇することもあります。それが相続です。でも、本来はそんなことはあってはならないはずです。みんなが笑顔で相続を経験するためには、どんな心構えが必要なのでしょうか。
不動産相続のミッションはみんなが笑顔になること
誰かが悲しい思いをする相続は、家族同士がもめて争いごとになってしまう相続です。逆に言い換えると、みんなが幸せになる相続は、家族同士が協力しあう相続です。家族みんなが協力し合う相続をするためには、それぞれの立場を尊重し合うことにあります。家族と言ってもそれぞれ立場や生活の状況が違うからです。
家族または親族である法定相続人が複数いる場合は、基準となる法定相続分で遺産を分け合うのがベストだと考える場合もありますが、現実はそうではないケースも多々あります。実際に民法の規定(906条)にも遺産分割の規定として「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」とあります。つまり、ご家族それぞれの状況をよく考えて、遺産分割をするようにということです。必ず法定相続分の通りに分けなければいけないということではありません。
現実的な納得と相続前の準備が大切です
法定相続分通りに分けなくてもいいと言うと、「では、わたしがもっともらってもいいんじゃないの」と言う声がでてきてもおかしくありません。ですので、なるべく生存中に、話をまとめておくおことが望ましいと考えられます。専門的な知識もなく感情だけで分け合ってしまった場合に、必要以上に相続税を支払うことになったという例もあります。
亡くなった後ではなく、亡くなる前に現状把握を行い、ちゃんと対策を立てることがよいのではないでしょうか。例えば、不動産は現実として形あるものなので金融資産などに比べると遺産分割がしにくいと考えられます。一方で、金融資産と比べて相続税の評価額を圧縮できる方法があるというメリットもあります。
本人にとって愛着のある不動産でも、実際に引き継ぐ側が同じ思いだとは限りません。例えば、築古のアパートなんかはどうでしょうか。この先、入居者が安定して集まるかどうかも分からない築古のアパート・・・。誰もが引き継ぐことに躊躇してもおかしくはありません。では、思い切って売却をすればいいのかというとそれも一概には言えません。最善の方法として、まだスムーズに売れる可能性があるうちに売却をして現金化してしまうのか、将来的に保有し続けることを考えて、コストをかけて修繕をするのか。資産全体のバランスと相続人の状況を考えて判断していかなければいけません。
相続においては節税も確かに大事ですが、不動産の相続対策では、対象となる不動産を遺していく人と、その不動産を引き継ぐ人の双方の気持ちを納得できるように着地させていかなければいけません。土地があるからと言って甘い言葉に騙されて節税対策をしようと思ってアパートを建てたら納税資金がなくなってしまったなんて本末転倒なことになってはいけません。不動産をご所有の方は事前に専門家によく相談をしてみてください。
本日は以上です。いかがでしたでしょうか。相続のことが気になり始めたら専門家に相談をすることをお勧めしています。